2009年5月15日金曜日

ROI, ROI, ROI

以前、広告コンサルティングをしていた経験からTVCMに関する話題には、つい目がいってしまいます。昨日「2008年度のCM好感度白書が発表されて、ソフトバンクモバイル社の白戸家シリーズがNo.1になった」という記事があり、企業、銘柄、作品の3部門を制して3冠を得た、と伝えています。

これと同時に、全9472銘柄中60%にのぼる5713銘柄が好感度を得られなかったCMだったと報告されています。企業にしてみればCM好感度の高めて売り上げに結び付けたい、あるいは認知度を高めたい期待がある中で、全体の60%は失敗しているという結果は、昨今の経済状況において広告投資を見直す格好の材料になります。

そんな中、昨年秋以降の経済不況でTV、新聞ともに出稿が落ち込んだことで、電通・博報堂DYホールディングスが2009年3月期連結決算で初の純損失をだしたことや、TBSが同じく2009年3月期決算で最終損益が38億円の赤字で、いずれも創業以来の赤字という結果になりました。

広告主側の厳しい業績を強く反映しているのですが、これは広告業界に限ったことではなく、経営者のROIに対する厳しい目が、昨今ますます高まっているということだと思います。CM好感度の結果を見たCMO (Chief Marketing Officer)は、どのような判断をしていくのか、非常に気になるところです。

広告のようにROIの測りづらいものの中に、私たちがビジネスにしている「情報の活性化」も含まれています。情報を活かす、と口にするのは簡単だが、どうやって評価するのか? ROIは何を軸にするのか? こんな質問をよく耳にします。その方法についてここでは説明を省きますが、ROIを説明できない投資は一切しない状況であることは間違いありません。

いかにROIと説明責任を果たしていくかが、この100年に1度の不景気から脱出する方法なのかもしれません。ただ、脱出した世界ではすべてがこうした科学的アプローチで評価されてしまっているというのも、さみしいものですが…

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