2009年8月25日火曜日

ノキアのネットブックにみるIT業界の今後。

ノキアから初めてのWindowsネットブックがリリースされるそうです。携帯端末からPC端末へのチャレンジですが、ノキアについては前回のエントリーでOffice Mobileとの連携でも触れましたが、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークが加速度的に融合をしていっているような気がします。




この潮流を作ったのは携帯電話ではなくウルトラミニPCのようなユニークなポジショニングをとったiPhoneの存在が大きいと思いますが、今後それぞれ全てが「サービス」の名のもとに連携、統合されていくのではないか、そのときにはIT業界の地殻変動も起きるのではないかと思います。

ちなみにこのノキアネットブックは3G, 3.5G, WiFi, GPSのデバイスをサポートするようです。次はクラウドへの進出でしょうか?

2009年8月18日火曜日

OSという概念の光と影

Office for Macの次バージョンでは、Outlook for Macが同梱されるというニュースは、私のようにMicrosoft製品を手放せないMac初心者には朗報です。

Mac上でBoot Campを使わずにSunMicrosystemsのVirtualBoxでWindows 7(RTM)を動かしていますが、仮想環境なのでAeroは使えないしOutlook 2010 (Technical Preview)が調子悪いこともあって、Mac側でメールや予定表を見ていることもあります。Outlookでアドレス帳、予定表、メモをiPhoneに同期しているので、iTunesでチェックさえすればMac側の「メール」「アドレス帳」「iCal」と同期も簡単です。

とはいえ、Mac上で仕事ができるかといえば、Officeファイル作成→メール送信は一連の業務の流れなので、この親和性がないと生産性が落ちます。従って、Macで動くOutlookは待望でもありました。

さて、短絡的にMacにOutlookがやってきた!という話ではなく、ここから今後のマイクロソフトの戦略が見えてくるのという話です。

このニュースと同じ頃に携帯電話端末では世界No.1のシェアを誇るノキアとマイクロソフトがOffice関連で提携を行い、これによりノキアのSmartphoneデバイス上でOffice Mobileを利用できほか、以下を実現するそうです。
・Office ドキュメントが「編集できる」(これまで他デバイスでは殆どは読み取り専用だった)
・ExchangeサーバーとのActiveSyncでPIM情報が同期できる
・Office Communicatorが起動でき、今何しているかのプレゼンス情報が見える
・SharePoint Server への接続が可能で、どこにいても社内文書へアクセスが可能
・System Centerでデバイスを管理

この意味するところは、マイクロソフトがWindows Mobile以外の携帯端末でもOfficeや各種Serverサービスを展開しOfficeユーザーを増やす一方で、接続するサーバー製品の利用を拡大しライセンス料を獲得していくことにあります。同時にPCでも携帯でもOSを持つ端末メーカーはこれにより付加価値を高め、例えばARPU (Avetage Revenue Per User)を増やしたり利用機会や顧客満足の向上を目指しロイヤリティを高めていく仕組みです。

つまり、SaaS型ビジネスモデルではなくとも、クラウドの世界へ突入した昨今ではこれまでのようなOSへの依存や制限が加速度的に低下してきて新しい協業モデルやビジネスモデルが生まれてくると思います。

良くも悪きもマイクロソフトのOSとOffice依存の収益モデルは、転換期を迎えているといってもよく、OSのシェアを極力落とさずにサーバー製品でいかに収益を上げていくかが今後の鍵になりますが、そこにはWindows、Linux、Unixのクライアント、サーバー、モバイル等を管理できる「System Center」が注目されるでしょう(上のノキアとの提携でもでてきました)。私たちがビジネスをしているSharePoint Server は全世界で13億ドルのビッグプロダクトになったそうですが、次はSystem Centerだとする記事もでています。

今後、OS/Office依存の脱却とOS/Officeを中心としたサーバー製品での収益獲得を同時に進めていくことになるマイクロソフトに注目です。

さて、Mac初心者の私ですが、2009年9月以降にリリースする予定の次期OS 「Mac OS X Snow Leopard」は、Microsoft Exchange Serverを標準でサポートしていることにも注目しています。つまりMacもOutlook for MacやExchaneg Server連携などで、ビジネスエリアへの進出に本腰を入れているということになります。もちろん、そのトリガーを引いたのはiPhoneであることは間違いないでしょうが、こちらも楽しみです。

2009年8月17日月曜日

夏の風物詩。

今年は冷夏と言われていた7月とは打って変わって8月になってからは猛暑のような気がしますが、そろそろ夏バテ、夏風邪など夏の疲れが出て来る頃でしょう。そんな時期でもしっかり夏を堪能したい、という夏花火ファンを友人にもっていた縁で、週末に大田区花火大会を川崎市側から鑑賞させてもらいました。


元マイクロソフトで一緒に働いていたY氏のお招きで、Y氏の川崎市にある自宅マンションを訪れたのは大会開始の3時間前。すでに多摩川河川敷や土手周辺には多くの観客がイベント等で盛り上がりながら花火を待っていましたが、マンションの15階にあるY氏宅からは、目の前で花火があがる絶好の位置。(そのためにマンション購入か?というくらいのポールポジション)。

花火が上がるまでお酒に食事に盛り上がり、花火がメインかお酒がメインかわからない状態になりかけていたそのとき、一発目の大きな花火が夜空に炸裂すると、その後は乱れ飛ぶかのように一斉に花火がうちあがり、河川敷からは大歓声。


昨年は東京湾の花火大会を、E社さんのご厚意で間近にあるオフィスから鑑賞させていただきましたが、バルコニーから今回は目の前で上がり、体への衝撃と爆音はものすごい迫力で、まさに感動しました。


去年に続き、素晴らしい夏の風物詩を見せていただき、お酒や料理とともに堪能。この夏のよい思い出になりました。Y氏に感謝!

2009年8月13日木曜日

館山にて。

先週末に千葉県は館山にプライベートで行ってきました。昨年はスキップしましたので2年ぶりですが、かれこれ20年近く海水浴シーズンには訪れている、第二の故郷のようなものです。とはいえ、生まれも育ちも神奈川&東京なので、お盆や正月に帰省ラッシュの中で苦労してでも戻る田舎がないので、その分、館山の田園風景は故郷であるかのように思っています。

以前は横須賀から金谷までのフェリーに乗り、館山までは市街地の中をクネクネ曲がりながら車で片道4-5時間かけて行ったものですが、アクアラインの開通で川崎−木更津が数十分になったほか、館山新道の全面開通で木更津から館山で30分程度となり、最近では自宅から館山まで1時間で行ってしまうこともあり、近くなったものと便利さを痛感していました。

ところが、ここ数年、この便利さによって東京−館山間が日帰りコースになり、館山の民宿や旅館などは痛手となり看板を下ろすところもでてきていました。もちろん高齢化の波もあり、民宿などは行き詰まっていました。そんな中、今年2年ぶりにいった館山では環境が様変わりしていることに気がつき、驚きとともに軽いショックを受けました。

これまでの民宿や旅館が減った一方で、こぎれいなリゾートホテルのような建物やペンション、セカンドハウス向けの土地販売が盛んに行われていたのです。いままで雑木林だった土地がきれいに10区画ほどに分かれていたり、ビーチ沿いに(少し無理やり)家が建っていたり(大潮だと波かぶりそう・・・)と、見慣れた風景がいっぺんしてしまったのです。

アクアラインや館山新道の開通に伴う人の流入、新たな環境資源と開発、観光化・・・ 過疎化/高齢化が進む地方にとって決して後ろ向きではないとは思うものの、20年近く見てきた風景や村社会を考えると、一抹の寂しさを感じずにはいられませんでした。

とはいえ、道路や社会インフラにより人やお金が「流れる」状態を作り/維持することが新たな環境や進化を生む意味では重要で、これは我々のビジネスにおけるミッションでもある企業内の「情報を流通させる」ことと似たモデルです。

環境は変わるもの。一抹の寂しさがある中でも、ここで見る夜空に輝く満天の星の美しさと、夕暮れ時に山間から聞こえてくる蜩の鳴き声だけは、変わらずに心を癒してくれる「故郷の情景」であり、この環境だけはそのままであってほしいなと切に願うのでした。